これほど見事な脚本の映画は、もう今年中には観られないだろう。
観客の感情を上下左右に揺さぶりまくる、練りに練られた巧緻なパズルのような完成度を誇る脚本。
笑いとシリアスが交互に、それも間髪おかずにくる。
笑い→シリアス→笑い→シリアスの波が間断なく観るものに襲いかかってくる。そのタイミングのよさは“神”といってもいい。
脚本家古沢良太の狙い通り、完璧にコントロールされる観客(と俺)。
こんなにも脚本家の手のひらの上で踊らされた経験はいまだかってなかった。
そして5人の俳優たち(小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之)の見事な演技。
小栗旬はテレビと舞台の人かと思っていたが銀幕でもいける。塚地は間宮兄弟の好演からこの作品につながったわけだが・・・役にめぐまれすぎだろ。
たった一室で繰り広げられるお話をまったく退屈も停滞もさせずに撮りきった佐藤祐市監督も特別にほめたい。
でもやっぱり古沢良太の脚本のすごさだよな〜。
笑いとシリアスな推理合戦が間断なく襲いかかり、どんでん返しにつぐどんでん返しがすさまじいスピードで繰り広げられた先には
羅生門的展開。五人が愛したアイドル如月ミキの人物像が万華鏡のようにクルクル変わり始め、最後に焦点があたるのはー
“アイドルとはなにか”という大命題であり、如月ミキとはまさに「正真正銘のアイドルだったんだ・・・」という香川照之のつぶやきどおり、
如月ミキがアイドルとしての自分をまっとうしたことがわかる大団円へとつながる。もうね、見事としか言いようがない。
それと観終った後、中年女性の方々が話しているのを小耳に挟んだんだけど、ラスト如月ミキの顔がでてきたことにいたくがっかりされていたようでした。顔はぼかしたままのほうがよかったのに、と。
いや実は俺もそう思いましたよ。映画のラスト、エンドロールとともにあらわれたミキちゃんの顔はもう相当な“アレ”でしたので・・・・・・・
でもしばらく考えていたら、いやこれでいいんだ、と。最後にでてくるミキちゃんが可愛かったら逆におかしいだろ、売れないD級アイドルなんだから。
映画の5人が熱烈に愛したミキちゃんって一体どんな娘なんだ?とまちかまえてたら“これかよ!”みたいなガッカリ感まできっちり演出のうちに入ってるんだよな〜。
いや〜書いているうちにもう一度観たくなってきた。来週あたりまた観にいくことに決定。
それから今年の脚本賞は古沢氏が独占します。
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