この映画人間ドラマなんだね。ひとりの孤独な盲目の女性と職場で疎外感をあじわう男の奇妙な邂逅。そして奇妙な共同生活。
このふたりの孤独な生活を丹念に描いていて、正直いっていささか退屈に進んでいく。
この作品の肝であるふたりの奇妙な同居生活もさほどサスペンスが盛り上がるわけではなく、むしろ心を閉ざしたミチル(田中麗奈)が外に出ようかどうか迷うシーンでアキヒロ(チェン・ボーリン)が急に出てきて外へ出るよううながすシーンに思わず感動したりして、観ている方もこれがサスペンス映画だという思い込みが無くなってくる。
フーン・・・この映画って一風変わった人間ドラマをやりたかったんだね、といささか拍子抜けしていると・・・・・不意打ちを喰らう!
最初サスペンス映画だという思い込みから、全然サスペンスが盛り上がらない展開にあれっ?と思い、それでも人間ドラマとして盛り上がってきたなぁと思っていたら・・・・・この急激な展開にびっくりする。
これ製作者は完全に狙ってやってますね。サスペンスのかけらもないたるい展開で観るものを油断させておいてガツンと不意打ちを喰わせる。
いや、なんか井川遥のキャスティングに違和感はあったんですよ。なんか井川遥ミスキャストだろうって。でもこのキャストで正解、井川怖え〜っ(笑)
田中麗奈の盲目の演技は武士の一分の木村拓哉よりうまいですね。田中麗奈は映画一筋のわりには映画ファンの評価があまり高くないと思っていたんですが、この作品で演技者であることを証明しました。
チェン・ボーリンは雰囲気はありますが、日本語のセリフが少し聞き取りにくかったです。
こういう映画ってなんの情報も入れずに観るにかぎるね。全然期待しないで観るぶん評価がだいぶアップするから。というわけで作品の評価は78点。