HUNTERxHUNTERはこの先どうなるのか?予想がまったくつかない巧みなプロット運びにため息しか出ない。映画ヲタってのは嫌な人種でかなりの数の映画を見てるからある程度のストーリーは予測できるなどと思ってしまう傲慢さがあるが、このマンガに関しては一体どうなるのか見当も付かない。
蟲編などまさかピトーがゴンに土下座するなんて予想すらしなかったし、まさかナックルがポットクリンを解除するなんて予想も出来なかった、読者として完敗だった。また一体いつ誰が死ぬのか予断を許さないことが少年マンガとしてありえない緊張感とサスペンスを生んでいる。(絶対に誰も死なない超人気マンガの面白さがいまひとつわからないのはそこにある)
映画ファンとして冨樫義博のプロット作成術はめちゃくちゃ勉強になる。つーか冨樫に映画の脚本書いて欲しい。
もうひとつのどうしてもやめられないマンガ百鬼夜行抄。最新の18巻買ってきたけど面白い。正直最近の今市子、さすがにアイデアが枯渇してきたのかな〜と不安をおぼえるほど作品一つ一つにキレがなくなってきていた。が18巻ではまた全盛期のストーリーテリングの切れ味が戻ってきたように感じる。
今市子の魅力はこれも冨樫義博と同じく巧みなプロットにある。とくに今市子が得意とするのはミステリーの手法をふんだんにマンガ表現に取り入れること。
百鬼夜行抄の最高傑作の呼び声高い9巻の「隣人を見るなかれ」のトリックはおもわず「うおっ!」とのけぞるような驚きがあった。ミステリーでいう叙述トリックをいかにマンガ的表現で実現するかという離れ技がされており、この隣人を見るなかれというお話は文章にしても映像にしてもわかりにくいことこの上ない、まさにマンガでしか表現できないトリックがもちいられている衝撃的な傑作だ。
そして最近この二つ以外にも読み始めたマンガがある。森恒二著「自殺島」だ。今週号のヤングアニマルを見て“おっ、これは面白くなりそうだ”と思ったのはこの島には自殺志願者だけではなく殺人など凶悪犯罪を犯した無法者たちが先に来ていてすさまじい殺しあいをした「無法島」であったというようなことを匂わせるのだ。
いままでの自殺島はいわゆる草食系の人たちばかりでバトルロワイヤル的なことはおこりそうになく連載もいかに主人公がひとりサバイバルしていくかに物語の主眼があってそれなりに面白かったのだが、これからは「蝿の王」的展開も期待できるし、凶悪な連中が島を牛耳っているとなると当然島には女が少ないということもあって「アナタハン」的展開もあるな、と・・・・フフフフフ・・・・ヒャアァァハアアアアアア!
孤島漂着もののプロットは蝿の王かアナタハン的展開は避けられないと思う。森恒二がそれをどのように描くか興味があるし、そうした孤島漂着ものの定型をどのように変化させるかも興味がある。