2009年07月18日

安野モヨコ庵野秀明を語る

エヴァ・破を見てから関連するネットや雑誌などを読みあさっておりますが、どうも庵野監督は結婚したからこそこのような作品を作ったというような意見が散見されるので(例えばマリ・イラストリアス=安野モヨコ説など)安野モヨコインタビューを引っ張り出して書きおこしてみる。


阿川佐和子 ご主人とはどうやって知り合ったんですか?

安野モヨコ 同じ年に、私が「ハッピー・マニア」を描いてて、彼の「新世紀エヴァンゲリオン」も凄い人気で。会う前から業界で「Wアンノ」と言われていたんですね。で、共通の知り合いが何人かいたので会ったんですけど、最初は「なんだ、この人」と思ってて。

阿川 どういうとこが?

安野 まず全然喋らないんですよ。で、みんなで飲んで大勢でうちに来る流れになって。私が飼ってた犬がすごい人見知りな子なのに、なぜか庵野監督に乗っかっていったんです。そうしたら、邪魔くさいから足でポンポンって蹴ったんです。そのとき、私、彼氏と一緒に住んでたんですけど、彼は庵野監督の大ファンだから、帰った後も「すげえ、すげえ」って大興奮してたけど、私は「すごいかもしんないけど、イヤな奴だ。何だ、売れてると思って」ってブツブツ言ってた。

阿川 でも再会して。

安野 いろんな飲み会で何回か会ってたんですけど、あんまり・・・・・。で、六、七年前に漫画家さん八人ぐらいが集まって「萩尾望都先生を囲む会」があったんです。私、萩尾先生のお隣に座らせてもらったんですけど、ファンすぎて緊張しちゃって喋れなくて、反対側を向きがちだったんですけど、そこに監督がいた。

阿川 逃避した先に(笑)。

安野 彼も萩尾先生を尊敬しすぎちゃってて喋れなくて。でも、テンション上がっててちょっと明るかったんです。それで、「あ、この人、普通に話せるんじゃないの」と思って。それから、お互いに連絡取り合うようになったから、監督と結婚したのは萩尾先生のお陰かも(笑)。

阿川 お互いの気持ちが友達以上になっていったのは・・・・。

安野 私そのとき、付き合ってる人がいたんですね。

阿川 さっきの、一緒に住んでた人。

安野 いや、その人じゃなくて。

阿川 まだいるの!?このハッピー・マニアが(笑)

安野 二十八ぐらいで、自分の収入で食べていけすぎるので結婚しなくてもいいかなと思いながら付き合ってて。でも、結婚する話になって、すごい束縛する人だったんで苦しいようなストレスを感じてたんです。

阿川 それでも付き合い続けてたの?

安野 顔がすごい好きだったんですよ(笑)。あとセクシーだったんですよ。

阿川 いろんな意味でね(含み笑)

安野 その頃、監督とも普通に飲みに行ってたんですけど、なんか私の避難場所だったんです。監督にも他に恋人がいたので、たぶん彼もそんな感じだったんじゃないかと思う。

阿川 お互いに恋人がいるのを知ってるから気楽な関係。

安野 そうです。その付き合ってた人って外国人だったんです。

阿川 エエーッ!?

安野 ドイツ人だから、私が具合悪くて寝てるときも「ミネラルを摂れ」ってチーズとハムとサラダを食わされる。でも正直うどんが食べたい(笑)。

阿川 アッハッハッハッハ。

安野 庵野監督はベジタリアンだから、デートに行ってもうどんかお好み焼きの豚玉豚肉抜きしか食べない。


阿川 うどんが食べられるデート(笑)。

安野 でもね、私はどっちもそんなに好きじゃないのかもなと思ってた。監督も「楽しいから一緒にいればいいじゃないか」という軽さが気に入ってるような気がしてたから、彼氏と別れたフルの私がドーンと行ったら続かないだろうと。経験上そういうこともあったので。

阿川 結局、出会ってから結婚までは何年くらいあったんですか。

安野 五、六年ですかね。萩尾先生の会以来ちょくちょく会うようになってから結婚するまでが一年くらい。

阿川 結婚願望はあったんですか。

安野 最初に監督がうちに遊びに来たとき一緒に住んでいた人と結婚したかったんですよ。もう運命の人だと思って結婚すると信じて疑ってなかったんです。親も友達も私たち自身も。なのにできなかったから、私はもう結婚できないと思っていたんです。その頃、二人連続でフラれて。

阿川 何が理由で?

安野 私も知りたいですよ。イメージが違うらしいですね。「あ、違った」って言われて、泣き崩れましたよ。「何がァ?」って。それはいまだに思い出すとちょっとグッとくるものが・・・・・。

阿川 泣いていいよ(笑)。

安野 私は本気で結婚したいと頑張ると頑張りすぎちゃって相手が疲れるんじゃないかな。今はそう思いますけど。今のダンナと付き合って初めて、一日中、二人でベッドでごろごろしながら「女帝」っていう漫画を全二十何巻読んで。あ、こういうことしてても大丈夫なんだって思った。自分が男の人と一緒にいてそんなにリラックスしたことはなかったんです。

阿川 結婚してみていかがでした?

安野 驚愕しましたねえ。まず誰もいないところでウルトラマンのポーズとかやってんですよ。前からやってたけど、私に対するサービスで監督流のおどけかと思ってたら違った。一人でガラス窓に映った自分を見ながら、「ミラ〜ナイフ、ピシピシピシッ!」って、擬音も自分でエコーかけて言いながら、投げる練習してたんです(笑)。

阿川 アルマーニのお店でスーツを何着も着て試着室から出てくるたびに違うウルトラマンのポーズとったって言うのは事実なの?(笑)。

安野 お店の人が「お客様よろしいですか」ってドアをカチャって開けると、(右腕を立てて左腕を水平に構えて)これ間違ってると注意されますけど、「シュワッチッ!」ってやるの。

阿川 やん、楽しそう!

安野 あと仕事の資料以外、本を全然読まないから作家さんの名前とかホントに知らない。

阿川 ますます私と気が合いそぉ!

安野 だから天才肌っていうか。身内をこう言うのもヘンなんですけど。右と左もわからないんですよ。(手で方向を示しながら)「右に行って」と言っても左に曲がったりするんです。

阿川 今、安野さん、「右に行って」って左を差したよ(笑)。

安野 私もバカじゃないかしら。人のこと言えないかもしれな〜い!

阿川 似てきたんじゃない?

安野 やめてください!

阿川 楽しそうな家庭ですね(笑)。喧嘩することはないんですか。

安野 お肉を食べないせいなのか、大変に穏やかな人なんですよ。仕事ではブチ切れることがあるらしいんですけど、私は怒られたことないです。だいたい私が怒ってる。
〜中略
スランプになったときに主人が「漫画をやめたいならやめてもいいんだよ」と言って。「どっちかというとやめたいかな」って気持ちになって、「三ヶ月休んでみて、もう一回描きたければ続ければいいんじゃない」という話になったんですよ。

阿川 その辺は大人の会話ができるのね。シュワッチッ!だけじゃなく。〜週刊文春「阿川佐和子のこの人に会いたい」第642回より


さすがにめんどくさいので全文書きおこしは無理。庵野監督にかかわるところだけ書きおこした。安野モヨコから見た庵野秀明がいかに変な人かというのは安野モヨコ著「監督不行届」にあますことなく描いてあるので読んでください、爆笑ものの傑作漫画ですから。


そしてその監督不行届の巻末の庵野インタビューを読んで庵野ファンは二度びっくりすることになる。


〜嫁さんは巷ではすごく気丈な女性というイメージが大きいと思いますが、本当のうちの嫁さんは、ものすごく繊細で脆く弱い女性なんですよ。つらい過去の呪縛と常に向き合わなきゃいけないし、家族を養わなきゃいけない現実から逃げ出すことも出来なかった。ゆえに「強さ」という鎧を心の表層にまとわなければならなかっただけなんです。心の中心では、孤独感や疎外感と戦いながら、毎日ギリギリのところで精神のバランスを取ってると感じます。だからこそ、自分の持てる仕事以外の時間はすべて嫁さんに費やしたい。そのために結婚もしたし、全力で守りたいですね、この先もずっとです。ー庵野秀明


愛だ・・・これが愛なんだ。そりゃエヴァも変わるはずだよ。
posted by シンジ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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