ポリリズム新参である俺はどこかPerfumeに「萌」的なものを感じて、ただただ三人が可愛いな〜と思っていた。「付き合うならかしゆか、結婚するならあ〜ちゃんだな」とかw
でもこの代々木のedgeのパフォーマンスを見た後では「萌」的な感情はどこかへ消え失せ「尊敬」という感情が湧き上がってきた。とにかく「Perfume?ケッ」とか思ってる人はこのedgeのパフォーマンスを見てから判断して欲しい。(でも一抹のさびしさはあるかな、いままで可愛い女の子に萌えてうっとりしていたのが、いまじゃ正座して圧倒的なパフォーマンスを拝見してる感じ)
中盤の代々木ディスコMIXも最高にかっこよくてこのMIX中田ヤスタカが作ったのかな〜と思ったらApothekeとかいう方たちが作ったのね。ヤスタカとしてはどうなんだろ?依頼が来たけど断ったのか、それともアミューズは最初からヤスタカに頼むつもりはなかったのか。案外ヤスタカ「俺にやらせろよ・・・」とか思ってたりして。wowowは新曲NIGHT FLIGHTはカットしたみたいでガックリ。これをみて自分を慰めよう。
ラストの「願い」も素晴らしくて泣きそうになった。願いの歌詞を聞いてハッと気づいたことがある。
もうすこしの勇気があれば
叶うかもしれないよね
だけど もしかしたらって
距離は 平行線
一番大事な気持ちを
後回しにしてきたね
2つに分かれた自分
くっつけるための願い
ちょっと話題が変わるけど今、藤子F不二雄のSF短編集読んでるんだけど(最近でた廉価版の上下巻。F先生の全短編を網羅してるわけじゃないけどおもだった傑作は入ってる)下巻に掲載されてる「ノスタル爺」を読んでショックと感動にうち震えた。
戦後30年してやっと戦地から故郷に帰ってきた男(横井庄一さんみたいな人ですな)は故郷がダムの底に沈んでいると知る。そして出征直前に結婚した亡き妻の墓参りをすませた帰り道、道に迷った男はいつのまにかダムの底に沈んだはずの故郷の村に入り込んでしまっていた・・・。
このF先生の傑作短編のテーマはPerfumeの「願い」そのまんまである。出征直前に結婚はしたものの結局妻を抱くことのないまま永遠に別れることになった男のあまりにも痛切な物語。
わずか27ページほどの短編を読み終わったとき、すぐにまた最初から読み直したのはこの物語の構造上当然のことだ。そして読み返してはじめてこの物語は完成するんだ。
「もう少しの勇気があれば」「一番大事な気持ちを後回しにしてきた」そのツケを男は永遠に払い続ける。あまりにも残酷な、でも甘美な拷問によって。
このノスタル爺の永遠の後悔は今の俺にとってあまりにも切実でありすぎる。いままでどれほど自分の勇気のなさで、一番大事な気持ちを後回しにしてきたせいでいろんなものを失ってきたか。その積み重なった澱のようなものが一生まとわりついて離れないのは俺だけじゃないはずだ。
短編の最初の方で気味の悪い老人が叫ぶ「抱けーっ!!」。最初から読み返したとき俺はこの「抱けーっ!!」で号泣しましたよ。
藤子F不二雄のノスタル爺を読んで感動さめやらぬうちに代々木のLive、Perfumeの「願い」を聞いたので、なんかまったく関係ないものがリンクしたように感じたので勢いのまま書いてしまった。
あと俺は映画ファンなのでF先生のSF短編集の中でどれが一番映画に向いてるかを考えるとやっぱりこの「ノスタル爺」と「イヤなイヤなイヤな奴」(宇宙船の中でいさかいが起こってさあどうなる?というドンデン返しありのこれまた傑作)かな〜と。
結論としては抱ける機会があったら抱けと。違うか