2009年04月21日

アカデミー賞受賞作品って・・・スラムドッグミリオネア

アカデミー賞受賞作品って期待はずれや過大評価の作品が多い。率直にいってこの作品もその部類かな。


ありきたりで使い古された物語の定型を雑多にぶちこんで過酷なインドの現実という社会派風味の味付けをし、ボイル風の短いカッティング、全編に流れるダンサブルな音楽で演出を誤魔化す。はい、あっというまに見た目面白そうな作品のできあがり。


・・・ちょっと辛口過ぎるかな。でもとてもボイルの演出がうまいとは思えない。たとえば子供同士が引き離されるシーンなんて、普通胸が引き裂かれるような悲劇の場面でしょ。それがあいかわらずの音楽とカッティングで誤魔化すダニー・ボイル風でここには演出というものが存在しないとさえ思ってしまう。


子供同士が引き離される映画で超有名なのは溝口健二の「山椒大夫」(1954)この映画でトラウマになるような絶望感をあじわったものとして、ボイルの演出はなっとらん、溝口を見てないのか?とボイルに問いたい。


クライマックスのクイズ・ミリオネアの“テレフォン”の使い方だけにはちょっとグッときてしまったのは白状するけど、それ以外は「映画の演出」というものがなかったな〜。


この映画は舞台をインドにした制作陣の作戦勝ちという感じ。これとまったく同じ筋立てでアメリカやイギリスを舞台にしたら誰一人見向きもしないだろう。


・・・実はちょっと辛口なのは理由があって、「愛のむきだし」を見てショック状態にあるときにスラムドッグミリオネアを見ちゃったんだよね。愛のむきだしもありきたりで使い古された物語の定型を使って新鮮な描写をするという意味ではスラムドッグと同じ方法論で映画を作っているといえる。


でもね〜愛のむきだしはスラムドッグの500倍は面白いからね。それに愛のむきだしは舞台がどこのどんな国でも傑作になりうる。


愛のむきだしさえ見てなければスラムドッグミリオネアは面白いんじゃない?まあスラムドッグ見に行くくらいなら愛のむきだしもう1回見に行くけど。
posted by シンジ at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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