Jリーグ第17節 浦和レッズvsサンフレッチェ広島
2009年7月11日(土)19:04キックオフ・埼玉スタジアム
試合結果
浦和レッズ2−1(前半0−1)サンフレッチェ広島
得点者:6分佐藤(広島)、68・84分エジミウソン
入場者数:44,149人
試合見ていてこんなにヘトヘトになったことはない。もうボロボロ、メッタメタ、クッソミソにやられまくった前半。リーグ戦再開してから勝つには勝ってるけど勝ってるだけという不安定きわまりない戦い方。なんで勝てたのかいまだによくわからない。
レッズの弱点を完全に研究し対策してきた広島。広島ってポゼッションのチームだとばかり思っていたら全然違っていて、まずはどん引きしてレッズにボールを回させておいて奪ったら一気にDFラインの裏に走り込む寿人にパスするという。イメージと違うじゃね〜か!
でも広島の戦い方は対レッズ戦用として完全に正しい。しかしうちが高いDFラインなのはうちの戦い方だからいいとしてもなんであんなに簡単に1本のロングボールなりスルーパスが通ってしまうのか?
ようは中盤のプレスがまったく機能してないということなんだけど、萌や直輝がいなかったからといういい訳も成り立つが、やっぱりサイドが弱点になってるかな〜
相手の両サイドにかなり高い位置をたもたれると、サイドがマークに付かざるえない、レッズのシステムは狭い空間に相手を閉じ込めてプレスをかけたりボール回しをするので最初から相手の両サイドが高い位置にいるとマークをするために空間がワイドに広がってしまう。また闘莉王が寿人を怖がってラインを下げる、そうなると中盤がスカスカになる。スカスカになると柏木がスルーパス出し放題になってしまうという。
いったいどうしたらいいんだべ?俺の頭では対策が思いつかない。闘莉王はラインを上げるだけじゃなく下げるときは下げてもいいんじゃないかと提案してるがなぁ。あんたは攻撃参加だけ考えるんじゃなく第一にラインコントロールを考えてくれ。
とにかく八方塞がりにしか見えない今のレッズの状況を打開するために俺のちっさい頭脳をフル回転させてみた。
作戦その一・直輝におまかせ作戦
DFラインの高さは変えない。90分相手陣内に押し込んでハーフコートサッカーをするしかない。その鍵は山田直輝。90分間ひたすら走り回りパスの出し手にも受け手にもなる、無駄走りもいとわない直輝に引っ張られる形で周りも流動的に動く。その戦い方がもっともうまくいったのは第8節の清水戦。・・・ただこの戦い方は肝心要の直輝が怪我してないことと他の選手に蓄積した疲労がなく気温も低いことが求められる。
作戦その一結論・・・夏だから無理!
作戦その二・闘莉王におまかせ作戦
経験豊富な代表不動のDF闘莉王が主張する「DFライン低めに設定しよ、な、な」DFライン低めなら広島戦のようなカウンターは絶対受けないし、今絶好調のエジタカコンビ電光石火のカウンター一発で1-0で余裕の勝利をGETだぜ!・・・ただこの戦い方はフィンケスタイルの全面否定。もう退屈なギドサッカーに戻るのは嫌じゃ〜。
作戦その二結論・・・嫌じゃ!
作戦その三・前半は寝ていた作戦
90分間相手を圧倒するのは体力的に無理。だったらレッズお得意の前半は寝ていた作戦しかない。とにかく前半は割り切って体力温存。DFラインも低めに設定してチンタラボール回しをするだけ。それで前半をしのいだら後半勝負。DFライン高めにして作戦その一の直輝におまかせ作戦を決行する。
作戦その三結論・・・もうこれ以上考えるの無理
次のナビスコカップ清水戦は苦戦必至。フィンケマジでどう修正してくるんだろうか?今シーズンで一番難しい宿題を出された気分。考えても考えてもな〜んも思いつかない・・・・ピコーン!そうだ!こういう時はエヴァンゲリオン・破を見にマリ・イラストリアスに会いに行こう!
2009年07月12日
2009年07月09日
黒澤明と庵野秀明の対位法の違い「エヴァンゲリヲン新劇場版・破」
エヴァンゲリヲン新劇場版・破を見た。でもホントは批評なんて書く資格ないんだよね。まずTVシリーズみてない。世間がエヴァエヴァと騒いでるなか完全に乗り遅れてしまったのでひねくれて旧劇場版も見てないという不勉強な奴が(新劇場版・序は見た)エヴァを批評する資格なんてないんだけど、あくまでアニメファンじゃない映画ファンがみたちょっとした感想ならいいだろうと・・
いきなり一番気になったところから書くけど、あの音楽の使い方ありなの?
「今日の日はさようなら」(1966)がこの作品中もっとも凄惨なシーンで流れるが、誰もが違和感を感じるこの音楽の使い方と演出法は黒澤明がよく使っていた対位法という音楽の使い方です。
有名なのは「野良犬」(1949)で刑事(三船敏郎)と犯人(木村功)が対峙する緊張感みなぎるクライマックスシーンにおよそ緊迫したシーンにそぐわないピアノを弾く音が聞こえてくるとか、三船と木村が格闘してお互いヘトヘトになって倒れると子供たちが「ちょうちょ」を歌っているシーンとか。
緊迫したシーンにおだやかで明るい曲をながすとそのシーンがより強調されるという対位法。
でも・・黒澤明は尊敬してるけどこの対位法って嫌いなんだよね。なによりあざとい感じがするのが嫌。あまりにもわかりやすくあざとく、大げさな感じがして。もし現代の作家が作品中この対位法を使っていたら、絶対このブログで酷評すると思う。
ただ、庵野がこのエヴァ・破で使った対位法は黒澤のとはちょっと違うんだ。自分自身対位法が嫌いとはいえ黒澤の演出は確かに効果を上げていると認めざるえない。映像と音楽の相乗効果を実感できるからだ。
でも庵野の対位法はあきらかに黒澤の対位法とは似て非なるものだ。エヴァ・破の中で最も残酷で最も悲惨なシーンに流れるのはどう聞いてもへったくそな“と〜もだちで〜いよお〜”だ。
これは対位法本来の目的である〜映像と音楽の相乗効果〜とはほど遠い違和感を見るものに強要してくる。いわゆる異化効果をねらったもので、黒澤明の考える対位法とは違い、見るものに違和感や不快感をあたえる目的がある。
ただでさえ血みどろの残酷さと碇シンジの絶望でどす黒く塗られた画面に「と〜もだちで〜いよお〜」という歌声。誰しもが狂気を感じ、イライラして吐き気をもよおすだろう。いわば不快さ二重底。
その庵野の狙い、演出意図はよくわかる、わかるけども、どうか?というのが俺の疑問。
映像的ドラマ的には相当すごいこと、やばいことをやってるにもかかわらず、この対位法的異化効果により映像のドラマ性が薄まってしまっているような気がするからだ。本来対位法というのは映像の力を増加させる目的があるにもかかわらず、庵野版対位法は逆に映像に没入するなと言っているかのよう。
じゃあ俺だったらどうするかというと、このシーン全編無音か、倒壊した家屋の中から聞こえるラジオの曲とか、さりげない対位法ならあざとさを感じさせることなく衝撃を与えることができたんじゃないかな。
映画のちょっとした感想というより対位法についての文章になってしまった・・・
キャラクターについての話。真希波・マリ・イラストリアスはまだ顔見せ程度で人物描写らしい描写がほとんどないのでなんともいいようがないが、野蛮な少女という印象。くよくよ悩むキャラより野蛮な女の子が好きなので期待。学園ラブコメ的展開はじゃっかん気恥ずかしさを感じたけどほほえましく見ることができた。アスカもレイも凄く可愛いし、シンジは単にグズグズクヨクヨした子ではなく、その苦悩に説得力がある。だからクライマックスは泣けるし感情移入してしまう。
エンディング曲は宇多田ヒカルなんだけど、あんまりあってないような・・・俺が「Perfume「edge」の壮大さにノックアウト」に書いたようにPerfumeアルバム凾ノ収録されたedge(-mix)がエンディング曲だったらな〜と妄想してしまう。edge(-mix)はガチで震えるくらい凄いし世界観がエヴァにピッタリなんだ。
なんだかんだいってつづきがものすっごく気になるので「Q」絶対見にいく。
つい買ってしまった・・・
いきなり一番気になったところから書くけど、あの音楽の使い方ありなの?
「今日の日はさようなら」(1966)がこの作品中もっとも凄惨なシーンで流れるが、誰もが違和感を感じるこの音楽の使い方と演出法は黒澤明がよく使っていた対位法という音楽の使い方です。
有名なのは「野良犬」(1949)で刑事(三船敏郎)と犯人(木村功)が対峙する緊張感みなぎるクライマックスシーンにおよそ緊迫したシーンにそぐわないピアノを弾く音が聞こえてくるとか、三船と木村が格闘してお互いヘトヘトになって倒れると子供たちが「ちょうちょ」を歌っているシーンとか。
緊迫したシーンにおだやかで明るい曲をながすとそのシーンがより強調されるという対位法。
でも・・黒澤明は尊敬してるけどこの対位法って嫌いなんだよね。なによりあざとい感じがするのが嫌。あまりにもわかりやすくあざとく、大げさな感じがして。もし現代の作家が作品中この対位法を使っていたら、絶対このブログで酷評すると思う。
ただ、庵野がこのエヴァ・破で使った対位法は黒澤のとはちょっと違うんだ。自分自身対位法が嫌いとはいえ黒澤の演出は確かに効果を上げていると認めざるえない。映像と音楽の相乗効果を実感できるからだ。
でも庵野の対位法はあきらかに黒澤の対位法とは似て非なるものだ。エヴァ・破の中で最も残酷で最も悲惨なシーンに流れるのはどう聞いてもへったくそな“と〜もだちで〜いよお〜”だ。
これは対位法本来の目的である〜映像と音楽の相乗効果〜とはほど遠い違和感を見るものに強要してくる。いわゆる異化効果をねらったもので、黒澤明の考える対位法とは違い、見るものに違和感や不快感をあたえる目的がある。
ただでさえ血みどろの残酷さと碇シンジの絶望でどす黒く塗られた画面に「と〜もだちで〜いよお〜」という歌声。誰しもが狂気を感じ、イライラして吐き気をもよおすだろう。いわば不快さ二重底。
その庵野の狙い、演出意図はよくわかる、わかるけども、どうか?というのが俺の疑問。
映像的ドラマ的には相当すごいこと、やばいことをやってるにもかかわらず、この対位法的異化効果により映像のドラマ性が薄まってしまっているような気がするからだ。本来対位法というのは映像の力を増加させる目的があるにもかかわらず、庵野版対位法は逆に映像に没入するなと言っているかのよう。
じゃあ俺だったらどうするかというと、このシーン全編無音か、倒壊した家屋の中から聞こえるラジオの曲とか、さりげない対位法ならあざとさを感じさせることなく衝撃を与えることができたんじゃないかな。
映画のちょっとした感想というより対位法についての文章になってしまった・・・
キャラクターについての話。真希波・マリ・イラストリアスはまだ顔見せ程度で人物描写らしい描写がほとんどないのでなんともいいようがないが、野蛮な少女という印象。くよくよ悩むキャラより野蛮な女の子が好きなので期待。学園ラブコメ的展開はじゃっかん気恥ずかしさを感じたけどほほえましく見ることができた。アスカもレイも凄く可愛いし、シンジは単にグズグズクヨクヨした子ではなく、その苦悩に説得力がある。だからクライマックスは泣けるし感情移入してしまう。
エンディング曲は宇多田ヒカルなんだけど、あんまりあってないような・・・俺が「Perfume「edge」の壮大さにノックアウト」に書いたようにPerfumeアルバム凾ノ収録されたedge(-mix)がエンディング曲だったらな〜と妄想してしまう。edge(-mix)はガチで震えるくらい凄いし世界観がエヴァにピッタリなんだ。
なんだかんだいってつづきがものすっごく気になるので「Q」絶対見にいく。
つい買ってしまった・・・
2009年07月06日
高原覚醒するも・・・浦和レッズ
Jリーグ第16節
モンテディオ山形vs浦和レッズ
2009年7月4日(土)19:04キックオフ・NDソフトスタジアム山形
試合結果
モンテディオ山形2−3(前半1−1)浦和レッズ
得点者:24分古橋(山形)、44分エジミウソン(PK)、47・82分高原、79分宮崎(山形)
入場者数:20,102人
なんというか・・・勝つには勝ったが、勝っただけというかモヤモヤの残る試合だったな。とにかく不安定だね守備も攻撃も。攻撃に関しては直輝がいないからといういいわけが成り立つが、守備はそうはいかない。
山形戦ではサイドがガタガタだった。左サイドバック永田拓也があっさり見切りをつけられて前半で交代させられたのは妥当。高原が覚醒してなければ勝ち点を失っていた可能性が高い。
でもナビスコであれだけ見事だった試合内容がリーグ戦に入ってからみるみるうちに劣化していくのってなんなんだろ?
これは俺の誤った考えかもしれない、でももしかしたら・・・という思いがぬぐい去れない。
ナビスコカップと同じDFラインでもう一度ためしてみないか?
俺がベストな試合だと思っているナビスコ杯新潟戦、大宮戦の陣容
エジミウソン 高原直泰
原口元気 山田直輝
(高橋峻希) (エスクデロ)
鈴木啓太 細貝萌
アレックス 坪井慶介 山田暢久 西澤代志也
(永田拓也)
山岸範宏
もう一度このDFラインでためしてみてくれないか?だって今期一番安定していた陣容なんだよ、坪井・暢久のセンターバックが。
このDFラインをためして駄目だったら闘莉王に土下座します。
モンテディオ山形vs浦和レッズ
2009年7月4日(土)19:04キックオフ・NDソフトスタジアム山形
試合結果
モンテディオ山形2−3(前半1−1)浦和レッズ
得点者:24分古橋(山形)、44分エジミウソン(PK)、47・82分高原、79分宮崎(山形)
入場者数:20,102人
なんというか・・・勝つには勝ったが、勝っただけというかモヤモヤの残る試合だったな。とにかく不安定だね守備も攻撃も。攻撃に関しては直輝がいないからといういいわけが成り立つが、守備はそうはいかない。
山形戦ではサイドがガタガタだった。左サイドバック永田拓也があっさり見切りをつけられて前半で交代させられたのは妥当。高原が覚醒してなければ勝ち点を失っていた可能性が高い。
でもナビスコであれだけ見事だった試合内容がリーグ戦に入ってからみるみるうちに劣化していくのってなんなんだろ?
これは俺の誤った考えかもしれない、でももしかしたら・・・という思いがぬぐい去れない。
ナビスコカップと同じDFラインでもう一度ためしてみないか?
俺がベストな試合だと思っているナビスコ杯新潟戦、大宮戦の陣容
エジミウソン 高原直泰
原口元気 山田直輝
(高橋峻希) (エスクデロ)
鈴木啓太 細貝萌
アレックス 坪井慶介 山田暢久 西澤代志也
(永田拓也)
山岸範宏
もう一度このDFラインでためしてみてくれないか?だって今期一番安定していた陣容なんだよ、坪井・暢久のセンターバックが。
このDFラインをためして駄目だったら闘莉王に土下座します。
2009年07月03日
傑作といいきれない違和感が「ディア・ドクター」
ディア・ドクターを見た。む、難しい・・・。いや映画は平易な表現を使ったかっちりした作りの人間ドラマになっていて誰でも楽しめる間口の広い作品になっています。
それでもこの映画を論理的に批評するとなるとなかなか言葉が出てこない・・・映画を批評するってこんなに難しかったっけ?いい映画なのは間違いないんだけどな。
俺は日本映画界で西川美和が一番の監督だと思ってるし、尊敬もしてる。でも素直に傑作といいたくない自分と違和感を感じる自分がいてここ数日悩みに悩みまくっている。こんなことはじめて。
この違和感の正体を探り探り書いていくので文章的にはお粗末になる可能性があるのでそこは勘弁してもらいたい。
まず脚本の構造に違和感を感じる。この映画の視点はどこにあるのか?こういう映画〜ある秘密を抱えた人物を中心に物語を描く場合、狂言回しという存在が必要になってくる。
この映画の場合、狂言回しは研修医の瑛太と、失踪した伊野医師を捜索する刑事二人の二つの視点からなる。
しかしこの映画最初から最後までこの視点が定まらない。この奇妙な医師伊野(笑福亭鶴瓶)を狂言回し=外部の視点から観察していくのかと思いきや、さにあらず。中途半端に伊野の心情に寄り添う形で進んでいくのだ。
狂言回しという外部の視点からこの伊野という男の秘密や嘘が浮き彫りになっていくのではなく、最初から伊野が偽医者ではないかとほのめかしたうえで、伊野が普段から不安にさいなまれていく様子を描写したりする。
じゃあ、伊野がいつ偽医者だとばれるのかドキドキするサスペンスがあるのかといえばそんなものもない。(たしかに気胸手術のサスペンスはさすが西川!といった感じだけど)
ものすっごく中途半端な視点なんだよ。「市民ケーン」みたいに狂言回しを使って伊野という一風変わった男の正体が暴かれていくスリルも中途半端。その逆にフリッツ・ラングの「飾り窓の女」のような完全に犯罪者側の視点から自分の犯行がいつばれるのか?というサスペンスも中途半端。
研修医や看護婦の視点からちょっと不可解な伊野先生を見たり、刑事の聞き込みによる外部から見た伊野を証言させたり、伊野自身の視点で今逃げだそうかという1人称視点に唐突になったり(手術後エレベーターを見つめるシーンね)視点が頻繁に変わるから注意力散漫になり画面に集中できないし、サスペンスも生じない。サスペンスが生じなければ伊野の葛藤や周囲の人の困惑も描けないだろう。とにかく脚本がとっちらかって未整理のままという感じ。
確かに俳優は魅力的で、鶴瓶はこの役をやるために生まれてきたといってもいいくらいのはまり役だし、余貴美子は最近絶好調で脂がのりきってる、おくりびとやTVドラマの刑事一代も素晴らしかった。そしてこの映画で助演女優賞総なめするんじゃないだろうか八千草薫の品の良さたるやもう・・。
俳優陣が素晴らしい仕事をしているだけに脚本の構造的欠陥だけが残念。さらにいえばラストカットも完全に蛇足。今年のベスト10には確実に入ってくる作品なのは間違いないが、西川美和ファンの俺にとっては残念な出来。でももう一度見にいく。
それでもこの映画を論理的に批評するとなるとなかなか言葉が出てこない・・・映画を批評するってこんなに難しかったっけ?いい映画なのは間違いないんだけどな。
俺は日本映画界で西川美和が一番の監督だと思ってるし、尊敬もしてる。でも素直に傑作といいたくない自分と違和感を感じる自分がいてここ数日悩みに悩みまくっている。こんなことはじめて。
この違和感の正体を探り探り書いていくので文章的にはお粗末になる可能性があるのでそこは勘弁してもらいたい。
まず脚本の構造に違和感を感じる。この映画の視点はどこにあるのか?こういう映画〜ある秘密を抱えた人物を中心に物語を描く場合、狂言回しという存在が必要になってくる。
この映画の場合、狂言回しは研修医の瑛太と、失踪した伊野医師を捜索する刑事二人の二つの視点からなる。
しかしこの映画最初から最後までこの視点が定まらない。この奇妙な医師伊野(笑福亭鶴瓶)を狂言回し=外部の視点から観察していくのかと思いきや、さにあらず。中途半端に伊野の心情に寄り添う形で進んでいくのだ。
狂言回しという外部の視点からこの伊野という男の秘密や嘘が浮き彫りになっていくのではなく、最初から伊野が偽医者ではないかとほのめかしたうえで、伊野が普段から不安にさいなまれていく様子を描写したりする。
じゃあ、伊野がいつ偽医者だとばれるのかドキドキするサスペンスがあるのかといえばそんなものもない。(たしかに気胸手術のサスペンスはさすが西川!といった感じだけど)
ものすっごく中途半端な視点なんだよ。「市民ケーン」みたいに狂言回しを使って伊野という一風変わった男の正体が暴かれていくスリルも中途半端。その逆にフリッツ・ラングの「飾り窓の女」のような完全に犯罪者側の視点から自分の犯行がいつばれるのか?というサスペンスも中途半端。
研修医や看護婦の視点からちょっと不可解な伊野先生を見たり、刑事の聞き込みによる外部から見た伊野を証言させたり、伊野自身の視点で今逃げだそうかという1人称視点に唐突になったり(手術後エレベーターを見つめるシーンね)視点が頻繁に変わるから注意力散漫になり画面に集中できないし、サスペンスも生じない。サスペンスが生じなければ伊野の葛藤や周囲の人の困惑も描けないだろう。とにかく脚本がとっちらかって未整理のままという感じ。
確かに俳優は魅力的で、鶴瓶はこの役をやるために生まれてきたといってもいいくらいのはまり役だし、余貴美子は最近絶好調で脂がのりきってる、おくりびとやTVドラマの刑事一代も素晴らしかった。そしてこの映画で助演女優賞総なめするんじゃないだろうか八千草薫の品の良さたるやもう・・。
俳優陣が素晴らしい仕事をしているだけに脚本の構造的欠陥だけが残念。さらにいえばラストカットも完全に蛇足。今年のベスト10には確実に入ってくる作品なのは間違いないが、西川美和ファンの俺にとっては残念な出来。でももう一度見にいく。
2009年06月29日
フィンケ学校の宿題・浦和レッズ
Jリーグ第15節 浦和レッズvsヴィッセル神戸
2009年6月27日(土)16:03キックオフ・浦和駒場スタジアム
試合結果
浦和レッズ2−0(前半2−0)ヴィッセル神戸
得点者:2分エジミウソン、42分高原
入場者数:18,777人
サッカーってのはもちろん真剣勝負のスポーツでありつつエンターテイメントでもあるんだけど、今年のレッズの試合に関してはエンターテイメント性と変な話、学習性みたいなものがあってやみつきになる。
今日の試合はこれこれこういう課題が出た。だから次の試合ではこう対処しましたよ、みたいな。
完全に俺はサッカーの試合を見て楽しむというより、フィンケ教授がこういう問題を出してきた、さてあなたならどう解きますか?みたいなことを楽しんでる。
今シーズンのレッズは高いDFラインを設定し、ほとんど相手陣内のハーフコート内の狭い空間から攻撃も守備も始まる。
初戦の鹿戦ではその意識が高すぎ前がかりになりすぎて裏を取られて失点。即座に2戦目は前がかりになるのを修正するも、その後フィンケサッカーとはなにか?ということを選手自身も試行錯誤していたが第4節大分戦、山田直輝という答えがついに出る。直輝という答えがでて以降、フィンケスタイルが浸透しはじめるのだ。
第4節から第8節の清水戦までみていて圧倒されるようなサッカーを展開していた。ほとんど相手にボールを触らせないで相手陣内に敵を押し込めボールを回しに回す。ゴールするまでのパスの回数はパスサッカーの定着する広島を大きく上回るものだった。
たださすがにJリーグの監督たちは無能ではなく、レッズの弱点を見抜きはじめていた。レッズがオフサイドをまったく取れないということに・・・手元にデータがないけど1試合のうち1回もオフサイドを取れなかったことも多々あった。
その欠点がもろに露呈したのが第11節の川崎戦である。川崎は前線はすべて外国人にまかせた憲剛のロングパス一本のチーム。オフサイドを取れないレッズはことごとく外国人との1対1に負け失点。
ここから厳しくなってくると思いきや、W杯予選に入ってリーグ戦は小休止。代表選手がいなくなり若手中心でナビスコカップをやりくりすることになったが、これが大成功。
理由は中央のDF二枚が山田暢久と坪井になったこと、驚くべきことに二人のコンビは大成功で、ライン設定をかなり高く保っているためいままで取れなかったオフサイドをバンバン取るようになる。さらには阿部のかわりに中盤の中央に入った細貝萌が大ブレイク。縦横無尽に動き回りフィジカルの強さを生かした相手にぶち当たるような守備に、ゴール前に頻繁に顔を出す積極性と完全に阿部のプレイを凌駕。
チームは絶好調のまま代表選手が戻ってきてリーグ戦再開。しかし横浜戦は今シーズンワーストゲームとなってしまう・・・。
原因は萌にくらべるとダイナミズム性の劣る阿部がいつもどおり中央に入ったこと、さらには本来なら高く設定しなければならないDFラインをズルズルと下げ、中盤が命であるはずのレッズのスタイルにもかかわらず中盤省略のロングパスを繰り出す闘莉王にあった。(後、夏の暑さ対策をしなかったというのも大きかった。)
さあフィンケどうする?どうなる?というのが第15節神戸戦の宿題だった。そしてフィンケはそれに答えを出したとは思う。まずは夏の暑さ対策・ペース配分を徹底させたこと。それから細貝萌を中盤にすえる。もう一つは(これが一番難しい)闘莉王のコントロールだ。チームの王様である闘莉王をコントロールするというレッズのどの監督も成功しなかったことに着手したのだ。
神戸戦での闘莉王はいままでになくラインを高くし、中盤省略のロングパスを封印(見てる限りほとんど出さなかったと思う)これはフィンケ相当厳しく闘莉王に厳命したんだなというのがわかるほど。
だが、この試合勝ったもののその高いDFラインが成功したとは言い切れない。DFラインの裏を抜けて決定的なピンチが何度もあったからだ。神戸のFWがまともだったら3点は入っていてもおかしくなかった。
闘莉王が高いDFラインに不満なのもみてとれる。闘莉王は足が遅いためカウンター一発で裏を取られるのを嫌がる。それはディフェンダーとして当然だが、実は闘莉王が高いラインを嫌がるのは自分の都合がある。DFラインを高くとると自分がプレイするエリアが狭まる、つまり自分が攻撃参加するためのスペースがなくなることが嫌なのだ。
高いDFラインを嫌がり不満たらたらの闘莉王に対する対処もフィンケ学校の宿題になってしまった。しかしあまり不安はない。今までの歴代の監督たちよりあきらかにフィンケの引き出しは多くて深い。しかも前の試合の問題点をたった1週間のうちに改善し、答えを出して選手に実行させてしまう。次節では闘莉王が嬉々として高いDFラインを統率してる姿が見えるだろう。
しかし神戸戦の高原のゴールは凄かったね!今のところ今シーズンベストゴールじゃないか。その前のパスワークも美しい。
2009年6月27日(土)16:03キックオフ・浦和駒場スタジアム
試合結果
浦和レッズ2−0(前半2−0)ヴィッセル神戸
得点者:2分エジミウソン、42分高原
入場者数:18,777人
サッカーってのはもちろん真剣勝負のスポーツでありつつエンターテイメントでもあるんだけど、今年のレッズの試合に関してはエンターテイメント性と変な話、学習性みたいなものがあってやみつきになる。
今日の試合はこれこれこういう課題が出た。だから次の試合ではこう対処しましたよ、みたいな。
完全に俺はサッカーの試合を見て楽しむというより、フィンケ教授がこういう問題を出してきた、さてあなたならどう解きますか?みたいなことを楽しんでる。
今シーズンのレッズは高いDFラインを設定し、ほとんど相手陣内のハーフコート内の狭い空間から攻撃も守備も始まる。
初戦の鹿戦ではその意識が高すぎ前がかりになりすぎて裏を取られて失点。即座に2戦目は前がかりになるのを修正するも、その後フィンケサッカーとはなにか?ということを選手自身も試行錯誤していたが第4節大分戦、山田直輝という答えがついに出る。直輝という答えがでて以降、フィンケスタイルが浸透しはじめるのだ。
第4節から第8節の清水戦までみていて圧倒されるようなサッカーを展開していた。ほとんど相手にボールを触らせないで相手陣内に敵を押し込めボールを回しに回す。ゴールするまでのパスの回数はパスサッカーの定着する広島を大きく上回るものだった。
たださすがにJリーグの監督たちは無能ではなく、レッズの弱点を見抜きはじめていた。レッズがオフサイドをまったく取れないということに・・・手元にデータがないけど1試合のうち1回もオフサイドを取れなかったことも多々あった。
その欠点がもろに露呈したのが第11節の川崎戦である。川崎は前線はすべて外国人にまかせた憲剛のロングパス一本のチーム。オフサイドを取れないレッズはことごとく外国人との1対1に負け失点。
ここから厳しくなってくると思いきや、W杯予選に入ってリーグ戦は小休止。代表選手がいなくなり若手中心でナビスコカップをやりくりすることになったが、これが大成功。
理由は中央のDF二枚が山田暢久と坪井になったこと、驚くべきことに二人のコンビは大成功で、ライン設定をかなり高く保っているためいままで取れなかったオフサイドをバンバン取るようになる。さらには阿部のかわりに中盤の中央に入った細貝萌が大ブレイク。縦横無尽に動き回りフィジカルの強さを生かした相手にぶち当たるような守備に、ゴール前に頻繁に顔を出す積極性と完全に阿部のプレイを凌駕。
チームは絶好調のまま代表選手が戻ってきてリーグ戦再開。しかし横浜戦は今シーズンワーストゲームとなってしまう・・・。
原因は萌にくらべるとダイナミズム性の劣る阿部がいつもどおり中央に入ったこと、さらには本来なら高く設定しなければならないDFラインをズルズルと下げ、中盤が命であるはずのレッズのスタイルにもかかわらず中盤省略のロングパスを繰り出す闘莉王にあった。(後、夏の暑さ対策をしなかったというのも大きかった。)
さあフィンケどうする?どうなる?というのが第15節神戸戦の宿題だった。そしてフィンケはそれに答えを出したとは思う。まずは夏の暑さ対策・ペース配分を徹底させたこと。それから細貝萌を中盤にすえる。もう一つは(これが一番難しい)闘莉王のコントロールだ。チームの王様である闘莉王をコントロールするというレッズのどの監督も成功しなかったことに着手したのだ。
神戸戦での闘莉王はいままでになくラインを高くし、中盤省略のロングパスを封印(見てる限りほとんど出さなかったと思う)これはフィンケ相当厳しく闘莉王に厳命したんだなというのがわかるほど。
だが、この試合勝ったもののその高いDFラインが成功したとは言い切れない。DFラインの裏を抜けて決定的なピンチが何度もあったからだ。神戸のFWがまともだったら3点は入っていてもおかしくなかった。
闘莉王が高いDFラインに不満なのもみてとれる。闘莉王は足が遅いためカウンター一発で裏を取られるのを嫌がる。それはディフェンダーとして当然だが、実は闘莉王が高いラインを嫌がるのは自分の都合がある。DFラインを高くとると自分がプレイするエリアが狭まる、つまり自分が攻撃参加するためのスペースがなくなることが嫌なのだ。
高いDFラインを嫌がり不満たらたらの闘莉王に対する対処もフィンケ学校の宿題になってしまった。しかしあまり不安はない。今までの歴代の監督たちよりあきらかにフィンケの引き出しは多くて深い。しかも前の試合の問題点をたった1週間のうちに改善し、答えを出して選手に実行させてしまう。次節では闘莉王が嬉々として高いDFラインを統率してる姿が見えるだろう。
しかし神戸戦の高原のゴールは凄かったね!今のところ今シーズンベストゴールじゃないか。その前のパスワークも美しい。



